BUCKING BROADWAY(ジョン・フォード,1917)

アメリカはやっぱ広いなー、土地余ってるなー。出だしから画面の奥行きが凄いことになっていて、馬鹿らしい疑問だけど携帯電話もない時代、どうやって指示出したのか?ラッパかなぁ。カメラから谷を越えた向こう側に役者がいたりする。(その割には、ワイオミングとニューヨーク間の距離をほとんど感じさせないところが不思議)

とにかく、ただ向こうに山が見えるだけではダメで、そこに馬とカウボーイが点のようになってでもいて、初めて奥行きが生まれることを教えてくれます。

不思議なところもいくつかあって、ハリー・ケリー演じる主人公とそのフィアンセが、ハリーの建てた家で暖炉に火をともし、結婚の約束を交わすシーンは、どう見てもハリーは悪役のようなライティングになっていて、ちょっと怖いのに、彼女と、彼女をハリーから奪い去っていく物語上の悪役であるはずの馬のディーラーが仲睦まじくなるシーンが雄大な山々を背景にとても美しい。

とにもかくにもニューヨークの街中を疾走する馬、そしてラストの乱闘シーンは迫力あるのにどこか笑えるジョン・フォードの映画でした。
 
あっ、それと、ホテルのボーイがとてもいい味を出してます。
玉田