2009-01-01から1年間の記事一覧

不知火海に一隻の船が浮かんでいる。夫婦であろうか、一組の男女が漁に勤しんでおり、カメラは彼らの労働の様子を画面に丁寧に映し出す。その画面に男の方の声がかぶさり、彼は水俣病で既に亡くなった父親について語る。映画『水俣—患者さんとその世界—』の…

『ロスト・イン・トランスレーション』(ソフィア・コッポラ)

なんといってもソフィア・コッポラの魅力はその「慎ましさ」、「さりげなさ」にあるでしょう。『ロスト・イン・トランスレーション』はその物語からして「慎ましい」、単純なものです。時間も102分と短い。 かつてのハリウッドスターのボブ・ハリス(ビル…

崖の上のポニョ

『崖の上のポニョ』です。DVD発売記念ってことで。 ジブリラヴァーの一人、尾崎です。内容的には、アンデルセンの童話「人魚姫」がベースになっていると思いますが、ほかのジブリ作品の例にもれず、メインテーマは「親の不在と子供の成長」「人間と自然の調…

ムーンウォーカー

彼は死んだ。 本当だろうか? 私たちは「彼は死んだ」と思っているが、彼は「私が死んだ」とは思えないはずだ。つまり彼はまだ踊っている。 『ムーンウォーカー』はマイケルのプロモーションビデオみたいな映画だ。悪人に連れ去られたいたいけな少年をマイケ…

容疑者Xの献身

尾崎です。原作モノ第二弾ということで、『容疑者Xの献身』です。見たことはなくても原作を読んだ人や、名前だけ知っている人、テレビシリーズ『ガリレオ』は知っているという人は多いと思います。 ちなみに僕は『探偵ガリレオ』シリーズの原作は全て読んで…

天元突破グレンラガン(TV版第一話)

カズマです。 今回は映画ですらありません。ごめんなさい。まぁでも、演劇でもなんでも、載せちゃっていいんじゃないですか?うん、許可します。で、今回の天元突破グレンラガンは、皆さんご存知のエヴァを作ったGAINAXの作品です。今年、映画化もされ…

リラの門

玉田です。デス・プルーフを書いたあとに、このルネ・クレール監督の作品を書くのは、我ながらいい選択かと。なにせ、クレールの代名詞は「慎ましさ」ですので。この作品、劇場で見たんですが、終わった後あまりに面白過ぎて圧倒され、席から立てなくなりま…

ZOO

再び尾崎です。映画のレビューというのは難しいですね。映像と音が同時に来るからというのはその一因としてある。もっと細かく言うなら人物(キャストとそれ以外)、背景(ロケーションとか)、物、セリフ、効果音、音楽などでしょうか。情報という意味では…

歩いても歩いても

あまり映画見ない尾崎です。言い訳ですが、小説ならいざ知らず、映画のレビューなど書いたこともありません。ご了承の上で読んでもらえると助かります。さて、『歩いても歩いても』は2008年に公開された是枝裕和監督の今のところ最新の作です。 『ワンダフル…

千と千尋の神隠し

なんてことはない、金曜ロードショーでたまたま観ただけなんですが…。一真です。春日ではありません。この映画は、典型的な小学生である千尋が、わけのわからん世界に親に連れて行かれ、仕事社会の中で精神的成長をしていく、という話です。前の「ゾンビ」の…

第七天国(フランク・ボーゼージ監督)

まず、映画とはあまり関係ないことを書きます。 『ゾンビ』『デス・プルーフ』と、爆音映画祭の煽りを受けてグラインドな偏りが生じた「サイドヴァーグ的movie review」に秩序を取り戻すため――と書くと誤解されそうですが、私はタランティーノも『デス・プル…

デス・プルーフ in グラインドハウス

なぜだか知りませんが、『デス・プルーフ』が嫌いだと思われているらしい、3年の玉田です。勘違いも甚だしい。ただこの機会に、過剰さそのものを好む趣味は野蛮だと思う、と敢えて言っておきましょう。何が素晴らしいって、そりゃ、やっぱりラストのカーアク…

ゾンビ

初書き込みになります。そんな映画観ない一真です。今回はジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」です。とりあえずいきなりゾンビが出てきて、最初こそビビッてたものの、次第に生存者側のおもちゃと化し、暴走族(?)集団との戦いに際しては、もはやガン無…